糀(こうじ)

  • 意味:米や麦などを蒸して、こうじ菌を繁殖させたもの
  • 豆知識:米に花が咲いたように生えるかびの意を表わす国字 です。

お味噌は、糀が2倍入っているというものを使っています。
2倍といわれると、お得感がありますよね。
でも、何に対して2倍なのかは、よくわかってません。(笑)

人生を振り返る

内館牧子さん著「今度生まれたら」を読みました。

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「今度生まれたら、この人とは結婚しない」70歳の主婦、佐川夏江は自分がやり直しのきかない年齢になっていることにショックを受ける。人生を振り返ると、あの時別の道を選んだらどうなっていたかと思うことばかり。進学は、仕事は、結婚は。少しでも人生をやり直すため、夏江はやりたいことを始めようとあがく。

amazon商品説明より

70歳になった女性が、自分のたどってきた人生を振り返って
別の生き方もあったのではないかとあれこれ考えるお話でした。

「結婚により男性に人生を預けること」が前提にありますので
主人公の20代は、預け甲斐のある男性を見定め、
その男性と結婚することが、何よりもだいじだった様子が描かれています。

その目標のために「猫の皮を100枚かぶる」と表現するほど
当時の男性にとって、ウケの良い女性を自己演出し
みごと、狙った男性と結婚し、幸せな家庭を築くことに成功します。

しかし、夫が50代のときに社内で致命的なミスを犯し
エリートコースから外れ、早期退職してしまいます。

思い描いていた50代、60代とはちがう人生になりましたが
それまでと変わらず夫を立てて暮らし、
不満を夫にぶつけない姿勢には、好感を持てましたが
とりたてて苦労をしたとは思えない人生を歩んでいながら
仕事をしている自分を思い描いて
もっとちがう人生があったのかもと、考えるところには、共感できませんでした。

ちゃんと働くということ

先日、「主婦の小競り合い」という記事で
私と同世代~もう少し上の世代の主婦には
働くことに対するおかしな幻想がある
ということを書きました。

私にとって、そのもっとも顕著な女性は実母です。
私とちがって、たいへん頭の良い人で、向上心もあります。
血のつながりがあるのが信じられませんが
医者になりたいと思っていたそうです。

しかし、家庭の事情があったことと
女性の大学進学率が低かった時代でもあったため
大学進学がかなわないまま、結婚し主婦になったことを
かなり長いこと、悔しがって生きてきた人です。

ですから、娘二人(私と姉)には
大学に行き、自立できる仕事を持つことを強要しました。

あいにく、ナマケモノでしたから
母の思う通りには育たず、結婚とともにさっさと仕事を辞めたんですが
その後、なんだかんだで、自立して働くハメになってしまいました。

働きたくて働いているわけでもない身からすると
パート仕事で稼いだお金で、観劇だ旅行だ
服だバッグだアクセサリーだのと、遊興にふけっていた母から
「私は家事より仕事のほうが好き」と言われたとき
ふざけるな!と、本気で怒りがこみあげましたね。

ちゃんと働いたことがないから、そんなことが言えるのよ。

と、思いっきり小ばかにしたコメントをしてしまったのには
子どもにお金を一切かけず、自分の浪費にばかり熱心だったことを
恨みに思っていたことも影響しています。
(その記事はこちらです。→両親を恨む気持ちもあるけれど

労働者のリアル

母の世代はもちろん、その娘である私と同世代の女性は
ほとんどが結婚前の仕事は「腰掛け」でした。

腰掛けだった人たちは、
辞める選択肢なしで働いて
稼ぎ出したお金で家族を養ったことがないので
働く厳しさとかみじめさ、つらさなんて
まったくわからないまま夢を見てるんですよね。

下げたくもない頭をブンブン下げまくったり
理不尽な要求にも粛々と従い続けたり
パワ・セク・モラと、三拍子そろったハラスメントをいなしつつ
ガマン、ガマン、ガマン、ひたすらガマン
プライドなんてものを思い出したら、あっというまに失職です。
仕事のストレスで胃に穴があく人もいるのがうなずけます。

働くって、いいことなんて、ほとんど何もありません。
いいことといえば、お金が入ってくることぐらいで。
それ以上でもそれ以下でもない営みです。
そのお金を母のように自分の好きに使えるなら
私も少しは仕事が好きになれたかもしれません。

脚本家として成功した、著者の内館牧子さんが、
同年代の女性を観察して書いたと思われる小説でしたが、
経済的自立と引き換えに、手放すものがあることも描かれています。
何もかもが手に入る人生はないからこそ、
何を選ぶかがだいじ、ということなのでしょう。
選択の余地がなかったり、選択を誤ったりもするから、
一筋縄でいかないのが、人生でもありますけどね。

今度生まれたら

というわけで、私自身が今度生まれたら
と、考えてみたんですが
生きていくには、先立つものが必要です。

結婚して、まったくもしくは激しく働かない主婦になるというのは
バクチだと、よーく知っています。
かといって、自分で稼ぐのは、うんざりするぐらいたいへんだし。
どっちもダメ、そんな人生をわざわざやり直したくありません。

どんなことをしても使い切れないぐらいの資産がある家に生まれたい。
そういう環境で、結婚含め身の振り方を考えたいものです。
そういう家でないならば、もう、生まれなくていいかなと、思っちゃいました。

タイムマシンで過去に戻ってやり直せるなら?
という問いの答えは、明確です。

学校に行くのもゴメンだし、働くなんて、もう二度といや。
今がいちばん幸せなので、どこにも戻りたくありません。

こう答えられる今があるわけですから
現世の私は十分幸せ者なんだと思います。
ですから、来世に何も望みません。(笑)


忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。