熾烈(しれつ)

  • 意味:勢いが盛んで激しいこと
  • 豆知識:「火が盛んに燃えるさま・日ざしなどのきわめて強いさま」という意味もあります。

類似語「苛烈」の意味は「むごいほど厳しく激しいさま」だそうです。
「苛烈」のほうが、激しさの度合いが強そうですね。

タワマン暮らし

BOOKOFFで買った小説を読みました。
外山薫さん著「息が詰まるようなこの場所で」です。

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タワマン文学の先駆者、窓際三等兵(かもしれない人の)初の書下ろし長編小説!

タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ――。
大手銀行の一般職として働く平田さやかは、念願のタワマンに住みながらも日々ストレスが絶えない。一人息子である充の過酷な受験戦争、同じマンションの最上階に住む医者一族の高杉家、そして総合職としてエリートコースを歩む同僚やPTAの雑務。種々のストレスから逃れたいと思ったとき、向かったのは親友・マミの元だった。かつては港区で一緒に遊び回り、夢を語り合った二人だったが――。
幸せとはなんなのだろう。
逃げ場所などない東京砂漠を生きる人々の焦燥と葛藤!

Amazon商品説明より

タワマン暮らしといっても、低階層と高層階のあいだには
越えられない壁がある、という話はよく聞きます。
まさに、低階層に住む家族と、高階層に住む家族それぞれの物語でした。

暮らしぶりによらず、人にはそれぞれ事情があり、葛藤があるという
ごく当たり前の普遍的なテーマを扱っていますが
テンポもよく、登場人物の心理を丁寧に掘り下げていて
とても面白く読める小説でした。

若者

途中、低層階に住む夫婦の夫が
職場でかかわる若者が出てきます。
無気力、無礼、いまどきの若者という描写が続いたあと
唐突に会社を辞めることになります。

辞め方も、いまどき仕様で「代行業者」を使い
本人は出社はもちろんしないし、職場の人に挨拶のメールすらよこさない
という辞め方で、それだけでもあきれますが
「退職エントリー」というものまで発信していました。

「退職エントリー」って、なんだろう???
と、最初はわかりませんでしたが
読んでいるうちにわかりました。
SNSなどで自分が退職する理由や、経緯
前職についてや今後の展望などを発信することでした。

なんのために、そんなことを???
と、その心理はさっぱりわかりませんが
いまどきは、そういうことをする人が増えているようです。

小説ですから、その退職エントリーの内容が
これまた、たいへん自己中心的で
辞める職場に後ろ足で砂をかけるようなものになっていました。

いまどきの若者って、こんななのか!?
と、一瞬思いましたが
そういえば、そういう人、昔もいたよ!
と、思い出しました。

昔の「そういう人」

まずその職場ですが、たいへん大きな企業です。
私は、そこにフリーランスという立場でかかわっていまして
これはひどい!という社員をたくさん見ました。
(その記事はこちらです。→いい死に方しない・親の顔が見たいと思った人々

そんな企業の社員である、40代の女性が
ある日、部署替えとなったことをメールで連絡してくれました。

あて先はCCで、社内の人、外部の人関係なく
同じチームでかかわっていた人全員に送信されていました。

ふむふむと、読んでいきましたが
途中で、腰をぬかしそうになった記述がありました。

それは、これまでかかわっていた事業を「価値がない」と断じ
「ゆえに、ここにいても意味がない」と続け
「よって、価値がある〇〇への異動を願い出た」という部分です。

抽象的に書き換えましたが「価値がない」ということを
もっと具体的に、はっきりと書いていました。

たしかに、その考え方にも一理あるかもしれないけど
それを言ったらおしまいだし
その価値のない事業を、私たちは今後も続けていくんだよね・・・
と、出入り業者にすぎない私でさえ思ったのですから
同じ企業で働く社員の皆さんは、どう思うだろう???

そもそも、かかわっていた事業をどう思おうとも、
それは、個人の自由ですが
あえてマイナス面を声高に述べるって
いったい、どういう心情の発露なのだろう?

しかも、去り際に。
「立つ鳥後を濁さず」という言葉を知らんのか???

と、謎に思ったことを思い出しました。

令和の「退職エントリー」は、全世界に向けて発信するものなので
関係者にだけ向けたものは、規模的に小さくなりますが
似たような事例ですよね。

一日にして成らず

以前、老害は急になるものではなく
同じような迷惑を、若かりしころからかけていたはず
という記事をアップしました。
(その記事はこちらです。→老害は一日にして成らず

老害となるシニアも、不届きな若者も
突然現れるわけではなく
いつの時代にも、きっと一定数いるものなのでしょう。

年をとっているからとか、若いからとか
年代によるものではなく
非常識だ!と、思われるようなことを
平気でしちゃう人、というのが
老若男女関係なく存在しているだけであって
単純に、その人のパーソナリティの問題なんだなと
改めて、思ったのでした。

それにしても、どう思われても平気だから
多くの人が非常識だと思うことをやらかすのか
非常識だと思っていないからやらかすのか
どっちなんでしょうね?

おそらく、後者なのでしょう。
とすると、同じことをされても
その人は問題を感じないということなのかなあ?

それは、ないような気がしますし
むしろ、そういう人ほど苛烈に怒りそうな気がしますが
どうなんでしょうね。



忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。