さだまさしさん
歌は世につれ、世は歌につれ
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この記事で、中学生のころ、
さだまさしさんの大ファンだったことを書きました。
卒業文集に載せた作文に、さだまさしさんの歌からタイトルをいただき
文中にも、いくつも歌のタイトルをしのばせて悦にいっていた
こっぱずかしい15歳でした。
文集用に書いた作文のタイトルは「春告鳥(はるつげどり)」でした。
春告鳥=ウグイスのことです。

さだまさしさんの言葉の選び方には、定評がありますが
思春期の多感だったころの私も、さだワールドの言葉に魅了されていました。
「春告鳥」を聴いて、ウグイスをそのように表すことを知り
スーテーキーっ!!!と、なっていたせいでしょうか
「ウグイス」を漢字で書けない大人になりました。
山手線ゲームを、そのまま駅名を書くルールにしたら
「鶯谷」を書けない人が一番多いんじゃないでしょうか?
(みんな書けないよね?と思いたい)

もっと漢字練習
もう春だなあと、思ったせいか
「春告鳥」で検索して、歌詞を味わってみたんですが
書けない漢字どころか、読めない漢字がありました。
「わだかまる」って、こんな字を書くんですねえ。
もちろん、書けない漢字もありました。
歌詞の世界観
さださんの歌の歌詞は、どれも味わい深いのですが
何十年かぶりに「春告鳥」の歌詞を読んでみて
これって、国語の読解問題が作れそうなぐらい
奥深い表現てんこもりだなあと、感心しました。
冒頭の歌詞を紹介します。
♪衣笠の古寺の侘助椿の
たおやかに散りぬるも陽に映えて
そのひとの前髪僅かにかすめながら
水面へと身を投げる

侘助の散る様が、これでもか!というほど
詩的に表現されていて、情景がありありと浮かんできます。
ぽとりと散り落ちる侘助椿から
身投げを連想する感性が、ただものじゃありませんね。
15歳のころ、こんなに感心した記憶はありませんので
よく意味もわからず、スーテーキーっ!となっていたのでしょう。
高校生になり、さだファンを卒業し
オフコースに夢中になり、
その後、B’zにはままります。
3組とも、メロディにもしびれましたが
歌詞の世界観にも強く感動していました。
さださん、小田さん、稲葉さんが
それぞれ楽曲の作詞をしているのですが
あるとき、共通点があることに、気づきました。

3人とも高学歴なんですよね。
さださんは、國學院大學卒
小田さんは東北大学卒→早稲田大学院卒
稲葉さんは、横浜国大卒です。
学歴で人を見ることはしません。
したら、自分がかわいそうすぎますw
でも、勉強をちゃんとして
名のある大学に行った人って
表現活動をするとき、
まず語彙力があるんだろうなと思いました。
それまでに読んできた本だったり
触れてきた知的世界によって
言葉の感覚も磨かれていくのでしょう。
理系の人は、ちがうかもしれませんが
お医者さんが書いた本って、読みやすいものが多いので
文系、理系関係なさそうにも思います。
一緒に育った姉は、踊るのが好きなので
ノリのいい洋楽が好きでした。

私がオフコースの「さよなら」を聴いていたら
♪さよなら さよなら さよなら
もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ
そのままの君だけ
のところで、
え?愛してるのにさよならするの?
なんで?
転勤とか?
と、言い放ってましたから
歌詞を味わう趣味がない人には
歌詞の世界観なんぞ、どうでもいい話なんでしょうけど
10代だったころの私は、
さださんや小田さんのインテリジェンスにふれることで
大人になったような気がしていたのかもしれません。
名曲の歌詞
思い出せば思い出すほど
赤面するばかりの思春期ですが
当時、美しい表現だなあと思った歌詞は
今も「よくこんな表現思いつくなあ」と、感心します。
さださんのファンなら、誰もがすぐに歌える名曲
「つゆのあとさき」という歌の中に
♪つゆのあとさきの
トパーズ色の風は
という歌詞があります。

あのけだるいような、生あたたかい季節の風を
とろりとやわらかく光るトパーズの色に擬して表す感性に、改めて感服します。