まだ独身だったころ、職場のパートさんから、
脳梗塞の後遺症を抱えたお舅さんが
リハビリに良いと、医者に勧められて
ファミコンでテトリスをやっている、
という話を聞きました。

手や指を使うことが、リハビリになる
という話を覚えていたのは
当時私も、日々テトリスに励んでいたからです。

それから四十年余、その効果を実感することになろうとは
当時の私は思いもよらなかったのでした。
まさか、自分の手先がしびれて難渋する日が来るとは
知る由もありませんでしたからねえ。

手先のしびれは、ドセタキセルという抗がん剤の副作用でした。
つるっつるに禿げたり、顔が黒ずんだり、爪が剥げてきたり
味覚障害に、肌の乾燥などなど、
やっかいな副作用が多かったんですが
手先がしびれるのは、ボタンをはめるのもモタモタするほどだったので
家事にかなり支障が出ていました。

そんなとき、私は運命的な出会いをしたのです。
出会った相手とは

あつまれ どうぶつの森

任天堂Switchのソフト、いわゆる「あつ森」です。
発売後、かなり経っていましたが
姉に勧められてプレイしてみたところ

めちゃくちゃおもしろい!

あまりに楽しくて、起きているあいだ
家事以外の時間を、ずーっとあつ森で遊んでいました。
スイッチを握りしめて、ボタンや十字キーをカチカチ、ぐるぐる
たぶん、毎日余裕で10時間以上プレイしていたはずです。

そして、しばらく経ってふと気が付くと
手先のしびれが、すっかり治っていました。
いつ治ったのかに気づかないほど、はまり込んでいましたが
これはまさしく、手先を使ったことがリハビリになったに違いありません。

やれうれしや、と診察日に医師に報告をし
同じ症状に悩む患者さん方のために、と思い

ぜひ論文に書いてください!

と、お願いしたんですが、論文が出た様子はありません。
有用なリハビリ方法だと思いますけどねえ。

あつ森のおかげで、かなりつらかったはずの期間
それらを忘れて過ごすことができました。
ゲームはただの遊びですけど、人生の役に立つこともあります。
病気を忘れられるぐらい楽しいって、素晴らしいですよねえ。
過去に戻って、若かりしころの私に会えたなら

任天堂に就職しなさい

と、勧めたくなります。
社会貢献できる企業で働くのは、たいへん有意義ですもんね。
(私が能無しの役立たずであるのは、置いておいてw)

忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳の専業主婦、4歳年上の夫と2人暮らしです。夫はステージ3の食道&下咽頭がん、私はステージ4の乳がんを罹患しています。夫婦でがん患者となりましたが、前向きに暮らしています。主に、夫のがん治療についての記録になりますが、日々起こるあれこれも綴っていきます。