鶇巣(とうのす)

  • 意味:愛知県岡崎市の町名
  • 豆知識「鶇」の訓読みは「つぐみ」です。

難しい地名シリーズです。

ツグミの町って、かわいらしい印象を持ちます。
今は亡き父が転勤族だったため、日本国内津々浦々移住してまわりましたが
愛知県には縁がなく、新幹線で通過するのみで今に至っています。

引っ越しと父

父の転勤について歩いて、主に西日本のあちこちに住みました。
そのため、私も母も姉も引っ越しスキルが異常に高く
母は、父の勤務先関係なしの引っ越しの際
引っ越し屋さんから「働きませんか?」とスカウトされたこともあります。

私も引っ越し屋さんで働いたら、かなりの戦力になると思われます。
荷物の梱包の手順や裏技など、数々紹介できそうなことがあるんですが
今回は、父の思い出についてです。

父は昭和のサラリーマンですから、いわゆるモーレツ社員。
引っ越しのときに家にいたことは、ほとんどなく
先に赴任地に行き、私たちが後から到着したときに
迎えに来てはくれても、そのまま出勤というスタイルが常でした。

そのせいで、何かのはずみで引っ越し当日に父がいて
たいへんな足手まといになったことがありました。

足手まといの具体例その1

引っ越し当日は、引っ越し屋さんが家具や段ボールをどんどん搬入してくれます。
それを、母と小学生の姉と私で、必要度の高い段ボールから開けて
設置した家具の中に収納していくという見事な連係プレーが
阿吽の呼吸で実現できていたんですが
そんな中、父が何を始めたかといえば、ステレオの設定です。

自分ができそうなことだと思ったのでしょうね。
なかなかよい心がけだったと言えるでしょう。
でも、配線が終わってレコードを聴き始めたのはどうでしょう?
しかも、荷物を抱えてそばを小走りに通り抜けた私を
「バタバタ走るな!針が飛ぶ!」と叱るって、ありえませんよね。

このときは、母が烈火のごとく怒って父を叱り飛ばしてくれました。

具体例その2

昔は、学校や集合住宅の敷地内に焼却炉がありました。
私たち家族の引っ越し先は、常に父の勤務先の社宅で
焼却炉が設置されていましたので、空いた段ボールは
どんどん運んでボンボン燃やして処理できました。
今にして思うと、古き良き時代でしたねえ。

父がいた引っ越しの日、この段ボールの焼却を担当してくれました。
ところが!中身をよく見ないでどんどん燃やしていったものですから
中にまだ荷物が残っていたんです!
しかも、母がだいじにしていたコーヒーカップのセットです。
今でもよく覚えていますが、虹色に光る素敵な食器でした。
それを見事に炭化させてしまった父。

母に猛烈に叱られたかというと、その記憶がないんですよね。
忙しいときですし、子どもがらみでなければ
まったくもー!!と思っても、叱るのは後回しにしたのかもしれません。

でも良い父でした

引っ越しのときは、かように役立たずの父でしたが
日ごろは、陽気で子煩悩な人でした。
引っ越しという慣れぬ事態に、父もとまどっていたのでしょう。

今回の引っ越しでお殿様(夫)が家にいる状態で準備を進めていると
父のことをあれこれ思い出します。

お殿様も、引っ越しにはまったく役に立ちません。
でも、私にとっては良い夫です。

平成生まれの人たちにとっては
「どこがー!?」かもしれませんけどね。


身を粉にして仕事をしてくれるお殿様ですから、
何ができなくても、どうでもいいと思っています。

とはいえ、ちょくちょくイラっとしますけどねw


忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。