螽(きりぎりす)

  • 意味:直翅 (ちょくし) 目キリギリス科の昆虫
  • 豆知識:「いなご・はたおりむし」という読み方もあります。

キリギリスとバッタでは、「触角の長さ」と「耳の位置」がちがいます。
触角は、バッタよりキリギリスのほうが長く、
耳にあたる器官は、キリギリスは前脚の脛節に、バッタは胸部にあります。

ということを、調べて知って初めて、キリギリスとバッタって
パッと見ても、きっと見分けられない虫であることに、気づきました。(笑)

大正~令和まで

国産ジーンズの歴史を縦軸にした小説を読みました。
増山実さん著「百年の藍」です。

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鶴来恭蔵は、故郷の岡山県児島から浅草に来ていた。車夫の政次のアドバイスにより、憧れの竹久夢二に奇跡的に会うことができた。しかし翌日の大正十二年九月一日、関東大震災に遭遇。親を亡くした娘りょう、政次とでしばらく避難生活をしていた。りょうと児島に戻るという時に、政次からアメリカの救援物資にあったズボンを受け取る。生まれつき色覚に異常があった恭蔵だがズボンの藍色に魅せられ、国産ジーンズを作りたいと考えるようになる。
時代は進み、日本は太平洋戦争に突入し、鶴来家もその大きな波に巻き込まれた。
戦後、世の中が激動する中で鶴来の会社を支えたのは、りょうだった。そして、彼女も日本でジーンズを作るという恭蔵の夢を忘れてはいなかった。ある日、鶴来の家をひとりの男が訪ねてきた。恭蔵の思いは、途切れることなく繋がっていた――。

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大正末期、関東大震災の前日から現代まで続く物語でした。
最初の舞台は浅草ですが、その後岡山に移り、
平成期には神戸、令和にはまた東京に戻ってきます。
その間、ずっと1本の「Gパン」がキーアイテムとして扱われていきます。

岡山は、ジーンズの生産がさかんだと知っていましたが
どういうわけで、そうなったのかは、まったく知りませんでした。

モデルがあるようなのですが、どこまでが実話なのかは、わかりません。
それでも、長い年月をかけて、受け継がれ熟成されていく思いの物語は
たいへんおもしろく、ぐいぐい引き込まれていきました。

何よりうれしかったのは、昭和時代の記述では
ジーンズではなくGパンだったことです。

デニムだとかジーンズだとかになったそうですが
やはり、あのズボンはGパンです。(笑)

増山実さん

著者の増山実さんは、ここ数年、私が推している作家さんです。
もちろん、十分人気作家さんなのでしょうけれど
もっと、大きくはじける人ではないか?
と、期待して、新しい本を図書館で見つけると必ず借りてきます。

以前読んだ本も、どれもおもしろく
それぞれ、熱い思いが軸になり、長い年月を経るものが多く
私が読みたいジャンルの小説です。

今回の「百年の藍」に、ちらっとイタリアンレストランが出てきますが
そのレストランの話も、「風よ、僕らの海の歌を」という小説になっています。

第二次世界大戦時、日伊共同の任にあたっていたイタリア海軍の特務艦が神戸沖にいた。
乗組員の料理を担当していた兵士、ジルベルト・アリオッタはイタリア政府の突然の降伏で
祖国に帰る道を断たれる。戦後間もない宝塚で日本人と結婚し、
イタリア料理店を始めるジルベルトと家族たち。見慣れぬ料理は宝塚の人々を魅了していく。
戦争に翻弄されながら、激動の昭和を生き抜いてきた親子三代の軌跡。彼らと交錯する、様々な人生。
史実をモチーフに異郷に生きる人々の絆を描く感動のストーリー。(解説・野村雅夫)

Amazon商品説明より

宝塚市内にある日本最古のイタリア料理店「アモーレアベーラ」がモデルだそうで
こんなことがあったんだ!と、驚きながら読んだ小説です。

戦争

「百年の藍」の中で、太平洋戦争の様子が描かれていますが
戦時中にさかのぼる小説には、「波の上のキネマ」があります。

予想もつかない展開とかつてない読後感──。驚嘆と希望の物語。

尼崎に祖父が創業した小さな映画館「波の上キネマ」を継ぐ安室俊介は、あるきっかけで祖父の前半生に興味を持ち、南へ向かう。祖父は脱出不可能な絶海の島で苛酷な労働を強いられていたが、そこにはジャングルの中に映画館があったという。祖父はなぜその島に行ったのか。なぜ密林に映画館があったのか。運命に抗う祖父が見たものは……。壮大なスケールで描く驚嘆と希望の長編小説。

Amazon商品説明より

増山実さんの作品は、ほかのものもどれもおもしろかったので
興味のある方は、ぜひどうぞ。

忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。