迚(とて)も
- 意味:どうせ・しょせん
- 豆知識:「迚もじゃないけどガマンできない」などと使います。
「程度の甚だしいさま(とても多いなど)」の意味もあるようですが
あとに、打消しの語を続ける形で使うことが多いようです。
私にはガマンできない
先日、佐野広実さんの小説「シャドウワーク」を読みました。
『誰かがこの町で』でブレイク!
ソーシャル・ミステリーの旗手が衝くドメスティック・バイオレンスの闇4日に1人、妻が夫に殺される。声を上げられないDV被害者たちが、今日もどこかで心と体に瀕死の重傷を負っている。
暴力夫から命がけで逃れ、江ノ島を望む風変わりなシェルターにたどり着いた紀子。
その家には、ある一つの「ルール」があった。命すら奪われかねない状況に置かれながら法に守られず、絶望の果てを見た女たちが生きる世界とは。
amazon商品説明より
究極のシスターフッド・ノワール!
家庭内暴力から逃れた女性たちの物語でした。
この小説によらず、家庭内で物理的暴力にさらされている被害者の話を見聞きすると
よく我慢できるなと、まずびっくりして
私だったら、一発殴られたそのとき、すぐに逃げ出すな。
いや、それじゃ気がすまないから病院行って診断書もらって
その足で警察に駆け込むだろうな、などと思いますが
共依存状態だったり、洗脳されていたり、
家族に迷惑がかかるかもしれないという不安があったり
それぞれに、逃げられない理由があるのでしょうね。
離婚と貧乏
先日の記事「姑・実母以上に疲れる相手」でふれた
バツイチが集まるサイトですが
そこに集まった人たちの離婚理由の多くは
借金などお金の問題によるもので
暴力という人は、ほとんどいなかったことを
いまさらながら、思い出しました。
暴力が理由となると、離婚届に判を押してもらうことが
どう考えても不可能だったりもするのでしょう。
離婚という高いハードルの前に悩んでいる人たちが
きっと、たくさんいるのでしょうね。
もうひとつ今頃気づきましたが、そういえば
夫の不倫で離婚した人も、ほとんどいませんでした。
理由は、知らんけど。(笑)
調停
私の場合は、夫が勝手に起業したあと赤字続き
そして、失敗してもう間もなく倒産するだろう
というところでの離婚でした。
借金のまきぞえを食いたくないし
実際問題として、私の稼ぎだけでは
ここから先、もう息子ひとりだけしか養えないよ。
と言いつつ離婚届をぐいぐい出して判を押させましたが
そこで判を押してくれなかった場合
かなりもめることになったようです。
離婚したあと、知人の親戚の話として聞いたことですが
私とまったく同じような状況で離婚したいと思ったものの
夫側の同意が得られず、調停になってみたら
調停員から「家族なんだから、助けてあげなくちゃ」
と、諭され、離婚に賛成してもらえなかったそうです。
「え!?どうして、ひどい!!」と、思ったんですが
これが男女逆なら?
夫が妻を養うのは、当たり前だと誰もが思ってるはず。
妻が夫を養うのも当たり前。
という調停員の主張を聞いて
唖然、ぼーぜんとしたものでした。
家庭ごとの事情をこまごまと申し立てて反論もできましょうが
たしかに、ぐうの音も出ない正論ですね。
あそこで、無事に別れられてよかった。
と、知人の親戚さんには申し訳ないけれど
わが身の幸いをかみしめ、胸をなでおろしました。
でも貧乏
離婚したから、万事解決、ハッピーライフ開始!
なんてことは、まったくなく
そこにいたるまでに失ったお金は取り戻せませんから
新しい気持ちで、ド貧乏生活をリスタートしただけでしたが
それでも、養う人間の数が物理的に減り
養いたいと思う我が子だけを養えばよい生活に入れましたから
まだ、マシだったということにしておきます。
その後、私は再婚したので、そのサイトを抜けました。
ほかの方々の動向としては、いつの間にか来なくなる人もいましたが
何かしら区切りがついたときに抜ける、という人がほとんどでした。
区切りの多くが、借金がなくなったというものだったのが
離婚と貧乏の直結具合を物語っていたよなあと、振り返って思います。
それぐらい、そのサイトに集まっていたバツイチ女性たちは
みーんな、お金がないことも共通していました。
考えてみたら、離婚したってお金がいっぱいあれば
気持ちの切り替え方の選択肢がいろいろありますから
そういったサイトで傷をなめあう必要もありません。
貧乏と無縁の人は、来ないところだったんでしょうね。(笑)
どんな理由も、それぞれたいへんだし、不幸ですが
したいと思ったときに、首尾よく離婚できたことは、
幸運なんだと思っていたほうがよさそうです。