というわけで、セカンドオピニオン受診のため、都心の病院へ行くことになりました。
しかし、電車を乗り継いで1時間近くかける体力はなく、往復タクシーを使いました。
昨今のガソリン代高騰もあり、往復で3万円をゆうに突破しましたよ。
さらに、セカンドオピニオンは保険が適用されないため、全実費負担でお値段は

4万4千円

高いのか安いのか、よくわかりませんが、高額な出費であることは確かです。

そんな大枚をはたいて受けたセカンドオピニオン時に、お殿様が聞きたかったことは
バイパス手術ができるか?ということのみです。

事前に問診表を送っていたので、聞きたいことはそこに記入したはずです。
でも、書き方が悪かったみたいです。

おそらくですが、ほぼ間違いなく

手術ができるかどうか知りたい

と、書いたのでしょう。
医師の説明は、外科的にがんを取り除く手術の可否から始まりました。

いや、それできないの、わかってるから

と、言いたいところではありましたが
医師の話をさえぎるわけにはいきません。
なぜできないのか、という理由とともにかなり長時間説明を受け

外科手術での根治は無理

との診断をいただいたあと、やっと
「では、何ができるかというと」という話が出ました。

1つ目は、今後肺炎が落ち着いたあと、抗がん剤治療が再開でき
それが劇的に効いて、がんが小さくなれば、外科手術ができるかもしれない。
しかし、その可能性は非常に低く、そこに期待するのは非現実的であるということ。

そのあと、やっと出たのが
では、食べられない、飲めないという状態をなんとかするとすれば
食道と胃をつなぐバイパス手術がありますよ
と、お殿様が聞きたかった話題が、やっと登場したのは受診後20分以上は経っていました。
セカンドオピニオンの時間は45分と事前に言い渡されていましたので、残り時間は30分もありません。

当然ですが、術後の縫合不全やその間にもがんは進行していくことなど
デメリットの説明をたくさん受けましたが

それでも受けたい

と、お殿様は強く希望し、当院で手術することになるならば・・・
と、具体的な話に入り始めたところで、私が割って入りました。

体力的には大丈夫なんですか?

医師は、診察してみないとなんともいえないし
それ以前に、残存しているがんの状態や、転移の様子も確認しないといけないし
踏むステップはたくさんあり、手術できるかどうかはわからない。

という話になりましたが、医師の姿勢としては

リスクを重視しすぎると、何もできないままになってしまうので
できることはないか、探ってみてもよいのでは?
というもので、お殿様も完全同意している様子だったんですが
とうとう私が、思いっきり現状をぶちまけました。

体力的にとても無理だと思います。
この人、6月からずっと寝たきりなんですよ

これを明かしたとたん、医師の表情がさっと変わりました。
術前検査すればすぐわかることですが、体力が明らかに落ちています。
体重は、治療開始前より10kg以上減っていますし
起きているだけでもしんどい状態になっている人が
手術なんて受けられるわけがありません。

さらにいえば、この病院の患者になるということは
ここにずっと通うということです。
肺炎が悪化したときも、ほかの症状が出たときも、
こんな遠くの病院に

通えるはずがないでしょう!!

ということがあり、現状を先に明かしたところ
医師は、一転厳しい表情になりました。

医:手術を受ける覚悟はありますか?
殿:あります!
医:どんな覚悟ですか?
殿:・・・死ぬ覚悟ですかね
医:死ぬ気でいる人に手術はできません。なんとしても生き残ってやるという覚悟がある人にしか、手術はしません

というやりとりのあと、

自分は楽したい、医者だけ頑張ってというのはダメですよ

と、はっきり言われていました。
今の主治医はとてもやさしい先生なので、厳しいことを言われたことはないでしょう。
でも、医師はこれぐらい言いますよね。
もっと厳しい医師のほうが、きっと多いことでしょう。
そして、その後

毎日30分、さわやかに散歩ができる程度の体力を取り戻して、
それから手術を検討するのがよいでしょう。

という見解を示し、受診終了となり「質問はありますか?」と、最後に再度聞いてくれたとき
お殿様から、なななななんと!!

こちらの外来受診の手続きはどうすればいいですか?

と、まさかのトンチキな質問が出て

先生のお話し、聞いていた!?

と、私が突っ込んだのと同時に、医師からも

私の説明聞いてましたか?

と、言われていました。

こうして、終わったセカンドオピニオンは、事後、担当医に渡す報告書とそのコピーをいただけます。
コピーは、患者が読んでも良いものだそうで、帰りのタクシーの中で見てみたら
受診の様子が箇条書きにされていて、最後に

患者が手術の必要条件を説明しても理解できていない

と、はっきり記載されていました。

それを読んだからなのか、私が割って入って邪魔をしたからなのか
その後、お殿様はずっと不機嫌です。

でも、あんな遠くの病院に転院するなんて、非現実的すぎますから
どうあっても、邪魔だてする必要があったと確信していますので、後悔はありません。

忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳の専業主婦、4歳年上の夫と2人暮らしです。夫はステージ3の食道&下咽頭がん、私はステージ4の乳がんを罹患しています。夫婦でがん患者となりましたが、前向きに暮らしています。主に、夫のがん治療についての記録になりますが、日々起こるあれこれも綴っていきます。