書帙(しょちつ)

  • 意味:書物を包むおおい
  • 豆知識:厚手の紙に布を張ったものが多く、開くと一枚になり、とめるところには、爪がついているそうです。

ブックカバーみたいなものかな?と思いましたが
数冊をまとめて保管するためのもののようです。

「翼の翼」

少し前にBOOKOFFで買った本を、読みました。
早く読みたいなーと、ずっと思っていつつも
図書館で借りた本には返却期限があるので
そちらを優先させていて、遅くなりましたが
ものすごーーーーくおもしろい小説でした!

朝比奈あすかさん著「翼の翼」。
中学受験という、デリケートな題材を扱っていますが
著者が、登場する親にも子にも、一定の冷静さと距離を保ちつつも
温かい目線を注いでいることが伝わってくる物語で、超お勧めです。

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なぜ我が子のことになると、こんなにも苦しいの? ひとり息子の中学受験挑戦。塾に、ライバルに、保護者達に振り回され、世間の噂に、家族に、自分自身のプライドに絡め取られていく。過熱する親の心情を余すところなく描いた、凄まじき家族小説。

Amazon商品説明より

中学受験、それは親子の戦いといわれています。
受験するときに11~12歳、準備に入るのはもっと前
まだまだ子どもですから、その主導権は親にあるのは当たり前でしょう。

私自身は、時間的に子どもの受験をサポートすることは難しく
それ以上に、息子本人の知力を鑑みて、中学受験とは無縁に過ごしました。

周囲には、中学受験に挑んでいる親子はたくさんいて
その様々な姿を見てきましたが、
自分ごととしては、とらえにくテーマです。

それでも、途中で涙するほど、戦う親子の姿に
心を打たれました。

中学受験

まだ小さい子どもを勉強漬けにしてしまいがちなこと
点数至上主義を幼いときから刷り込まれること
中学受験の弊害は、さかんに取沙汰されていますが
かわいい我が子を思えばこその、親心なんですよね。

どうしても、エスカレートしがちで
そこばかりに焦点が当てられがちですが
努力すること、目標をもつこと、大切なことも学べるはずですし
何より、その後の人生を思うとき
少しでも良い環境で学ぶことは、貴重な財産になるはずです。

それでも、マイナス面が取沙汰されるのは
心を破壊されてしまう親子も多いからでしょう。

まだ小さく、多くの可能性があるはずの子ども時代に
ここで落ちたら人生が終わってしまうかのような
切羽詰まった気持ちにさせてしまうのが
受験というものの怖さなんでしょう。

是も非もなく、その家庭ごとに
何をいちばんだいじにするかを決めるしかないことに思えます。

主体性

小説の中に書かれていましたが、多くの子どもが
成績が落ちるなどしてつまずいたときも
受験をやめたくないと、言うそうです。

子どもなりのプライドもあるようですし
何より、親の期待にこたえたいという
子どもらしい気持ちも、大きいようです。

小説でも、受験勉強に行き詰まり
すっかり疲弊した様子の我が子に
主人公である母親が「塾を少し休もうか」と言い、
それを子ども自身が拒否する場面がありました。

塾を休むことはすなわち、受験をやめることと受け止め
自分を見捨てるつもりなのかと
慟哭しつつ、親を問いただす子どもに涙が出ました。

人生には、受験の当落以外の価値観がある
ということを、言い聞かせるのは簡単です。

でも、低学年のころから進学塾に通い
親子で取り組んできた受験勉強をリタイアするって
子どもにとって、挫折以外の何ものでもなく
どんな悲惨な状況でもやめたくない
と、思うのは当たり前ですから
親が先にあきらめるのは、非情なことなのでしょう。

いや、しかし。
小説とはいえ、子どもってなんともまあ
いたいけで、いじらしいのでしょうね。

そこに心を打たれまくり、涙が何度も出ました。

息子

中学受験なんて、夢のまた夢という
不出来な息子ですから、まったくジャンル違いなんですが
読書中に思い出したことがありました。

まだ、息子が幼児期、姪のピアノの発表会に行きました。
息子にとっては、大好きないとこの晴れ舞台です。
大喜びで参加したんですが、男の子ですからね
すぐに飽きて、つまらなさそうな顔になりました。

客席でじっとさせているのは、かわいそうだなと思ったので
いとこが出場するまで、外に出してやろうと思い
「外に行こうか?」と、聞いたら
ぎょっとしたような顔をして、いきなり姿勢を正し
「いやだ、ここにいたい!!」と、泣きそうな顔で言いました。

息子からすると、静かに良い子にしていたはずなのに
なにか落ち度があって、外に出されてしまう、と思ったようです。

そういうわけではありませんでしたが
日頃の行いが悪すぎたせいで(笑)、勘違いしたんでしょうね。

かわいいなあと、そのとき思いましたし
今思い出しても、いじらしいなと思います。

子どもって、親が思っている以上に
いい子でいたいと思っているんですよね。

たりないところが多々ある息子だって
いい子でいたい、いい子になりたいと思って育ったんだよね
そして、それは親の愛情を得たいからこその願いだったはずと
今更ながらに思いますし
その姿勢には「ありがとう」と言いたい気持ちになります。

結果は、まったくついてきてないんですけど。(笑)

自分には縁遠い世界の物語でも
母子の物語というのは、様々な思いが胸に去来するものですね。

忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。