蹣跚(まんさん)

  • 意味:足もとがよろめくさま
  • 豆知識:「蹣」「跚」いずれも「よろめく」という意味を持つ漢字です。

「よろめく」と聞いて「よろめきドラマ」を連想するのは
今や、昭和生まれだけかもしれませんね。

よろめく

「よろめく」=「つまずくなどして転びそうになること」ですが
「よろめきドラマ」となると、人妻が道ならぬ恋に身を焦がす話になります。
「よろめく」には「誘惑に乗る」という意味もありますので
そこから生まれた表現だったんでしょうね。

と、思いきや出典は三島由紀夫だそうです。
「美徳のよろめき」という作品があり、あらすじは下記の通りです。

人妻の姦通(婚姻外の恋愛の)を描いた作品で、多くの大衆読者を獲得した作品である。結婚前の男友達と再会し関係を持ち、官能に目覚めたヒロインが妊娠・中絶を繰り返した苦しみの末に、別れを決心するまでの1年間を描いた物語

Wikipediaより

この作品のみならず、三島由紀夫の著書は一冊も読んだことがありませんが
なかなか刺激的な作品だったようですね。
そして、なるほど、ここから生まれた言葉だったのかと理解できました。

よろめきドラマ

よろめきものは、小説も読んだことは、ありませんがドラマだって
花王なんとか劇場とか、お昼のメロドラマ枠で放送されていた印象があり
実際に見たことは、たぶんないはずなのに
「よろめきドラマ」なるジャンルを知っているのは、
どういうことでしょうね?(笑)

初めて見た、いわゆる「よろめきドラマ」は
かの有名な「金曜日の妻たちへ」でした。

パートワンの放送が、高校卒業間近でした。
しかし、今にして思えば、あのドラマは
人妻がよろめく物語ではありませんでしたね。

いしだあゆみさんの夫、古谷一行さんは
いしだあゆみさんの友人、小川知子さんによろめきましたし
その小川知子さんは、夫だった竜雷太さんが
若いモデルの石田えりさんによろめいた結果
離婚していたため、独身でした。

時代が変わると、よろめきドラマも逆転化現象が起こるのね
と、思えますが「金妻」のその後は、人妻の不倫ドラマでしたよね。

たまたま

先日ちょうど、母と姉と「金妻」の話になり
ありえないよね~と、盛り上がったばかりでした。

「ありえない」のは、男女が道ならぬ恋によろめくことではなく
パート4となる「金曜日には花を買って」のワンシーンについてです。

バリキャリ設定の多岐川裕美さんが。仕事から帰って来ると
家では、すでにホームパーティーが開かれていて
「すぐ作るわね」とかなんとか言いつつ
多岐川裕美さんが、キッシュの生地をこね始める
というシーンです。

遅くなってしまったのに、いきなり生地から!?
と、いうところにも、なぜそんなものを??ですし
着替えもせず粉をこね始めたことにも首をかしげたし
そもそも、帰宅時に抱えていた紙の買い物袋から
バゲットが飛び出していたのが、わざとらしかったとか
姉が詳細に覚えていたワンシーンについて
大昔のドラマなのに、重箱のすみをほじくるようにして
「ないわ~、ないない!!」と、笑い合っていました。

おそらく、男性が作った話でしょうね。
ドラマにリアリティばかりを求めるわけではありませんが
あまりに現実離れしていると、冷めてしまいます。

パート3

「金妻」は、パート3までは全話見ていました。
パート3は、主題歌の「恋に落ちて」が好きで
わざわざピアノ楽譜を買ってきて、弾き語りの練習までしました。(笑)

しかし、物語に共感していたかというと
まったく、ぜんぜん、そんなことはありませんでした。

当時はまだ20代半ばぐらいの独身でしたから
主婦って、こんなのが好きなの???
という疑問符で頭がいっぱいになるほど
違和感の連続でしたけど
最終話まで見ていたのは、そういう時代だったんでしょう。

話題のドラマをおさえておかないと
人間関係が円滑に結べない時代といいましょうか。

今やテレビは、オワコンと言われる時代になり
地上波のドラマを観ていないからといって
職場の昼休憩時、話に入れない、なんてことはなくなったでしょう。

良い時代になったものだと思います。

金妻への違和感

ドラマのテーマである「不倫」には
特に何も感じていませんでした。

実際にも、そういうことはあるわけですから
ドラマとなれば、美化されるのね、ぐらいの感想でしたが
どうにもこうにも、なんか寒い・・・
と、思ったのが、パート3において
癒し系というか、どんくさいキャラ設定の森山良子さんが
年下の男性=奥田英二さんに言い寄られることでした。

これ、ありえないわ~~
というか、あるかもしれないけど
オバサンが好きな男って、めっちゃ気持ち悪い!!
と、げんなりしたのをよく覚えています。

若かった娘時代ですから、中年女性へのリスペクトなど皆無で(笑)
そもそも、そういう設定が求められてるわけ???
と、思うほどに「主婦の頭ってどうなってんの???」
と、違和感が強くなるばかりでした。

実際には

年下の男が好きな中年女性は、いっぱいいました。(笑)
後に自分が中年になって、知ったことですけどね。

年下男性そのものではなく、年下の男性にちやほやされるのが好き
というほうが、正確かもしれません。

社会的な力関係あればこそのヨイショを本気にして
「若い子に負けない、まだまだ魅力的なアタシ」
と、悦に入ることができるおめでたい中年女性、
意外に多くいます。(笑)

そういう人々のニーズが具現化されたドラマだったんですね。

不倫ドラマ

今も、定期的に不倫ドラマは放送されているようですから
永遠に、一定のニーズのあるジャンルなんでしょうね。
そこで、年下の男に言い寄られる中年女性って
もしかして、鉄板の設定になってるのかな?
見ていないので、わかりませんが。

どんな設定であれ、恋愛は脳内麻薬がドバドバ出ますから
家事や子育てに疲弊している主婦にとって
たしかに、てっとり早い娯楽ですもんね。

実際にはリスクが大きすぎるし、そんな機会もそうそうないでしょうから
フィクションの世界で楽しむ人がいるのは、当たり前かもしれません。

なんにせよ、よろめきドラマを見ることは今後もずっとないでしょう。
小説でも、恋愛ものは避けているぐらい
他人のそういうなんだかんだにまったく興味が持てない体質です。(笑)


忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。