瀝青(れきせい)
- 意味:天然のアスファルト、タールなど、黒色の粘着性のある物質の総称
- 豆知識:「瀝」=「したたる」という意味を持つ漢字です。
漢字から受けるイメージでは、アスファルトのことだとは思いませんでした。
意外な熟語がこの世にあるものです。
読書
図書館で借りた本を読みました。

予約者がたくさんいて、数か月待った甲斐のある、おもしろい小説でした。
歪んだ母子関係がテーマなので、暗い内容でしたが
ドロドロした話は、小説で読むのは大好きです。
映像作品は、あまりにドロドロしていると疲れちゃうんですが
人の心の奥深いところにある、闇にふれるような小説は、どストライクです。
まちがい
途中、言葉の誤用を発見しました。
「快哉を叫ぶ」とすべきところが「喝采を叫ぶ」となっていました。
この誤用、出版社がちがう別の小説でも、発見したことがあります。
そのときは、出版社にメールで連絡をしましたが
担当編集者から来た返信が、木で鼻をくくったよう、というか
「はいはい、それはどーも!」というもので
余計なお世話だったのね・・と、感じました。
以後、誤用や誤字を見つけても、連絡しないことにしています。
今回も、出版社に連絡はしませんが
私が読んだ本は重版だったので、誤用のまま
その後も版を重ねているのかもしれませんね。
使い方
「快哉を叫ぶ」=心が晴れやかになって思わず声が出ることで
「喝采」のあとに「叫ぶ」が続く使い方はなく
「喝采を博す」「喝采を浴びる」などと使います。
「喝采を浴びる」=手をたたきながら大声でほめたたえることですが
仲間の非道な行為をはやし立てている場面で
「喝采を叫ぶ」が使われていましたので
快哉、喝采いずれもそぐわない表現でした。
読書中に、こういう明らかなまちがいを見つけるのは、
実は、そんなに珍しいことではありません。
わりと最近読んだ小説には、登場人物の名前がまちがっている箇所がありました。
また、別の小説では、読点(、)を打つべきところが句点(。)になっていたこともありました。
と、いうように、例をあげていけば、枚挙にいとまがありません。
あらさがしをして、鬼の首をとったかのように
「まちがってるじゃないか!」と、責める気はありません。
人間ですから、作家さんが書きまちがえたり
言葉の使い方を勘ちがいすること、さらに誤植などは、あって当たり前です。
校正
がっかりするのは、校正の質が粗いことです。
どうしてこのまちがいを見つけられなかったんだろう
と、思うたび、非常に残念な気持ちになります。
編集者、校閲者と何重かのチェックが入って出版されるはずのものなのに
こういうミスをしょっちゅう発見していると
「出版文化は、もう終わりかもなあ」と、不安になります。
ただの読者の私が気づいたものを
編集を生業としている人たちが、気づかないって
どういうこと?と思っちゃいます。
出版不況で、編集作業に時間やお金がかけられないのでしょう。
それゆえに、作品そのものが劣化していくのだとしたら
ますます本が売れなくなっていくばかりです。
読んでいる本の9割以上を図書館で借りている私ですから
「じゃあ、もっと買えよ!」と、言われそうなんですけどね。
それでもやはり、明らかな間違いは発見できるシステムがないと
作家さんがお気の毒だなあと思います。