楿(かつら)

  • 意味:カツラ科の落葉高木
  • 豆知識:国字(日本で作られた漢字のこと)です。

国字の基準は辞書により異なりますが、1500字以上あるそうです。
飛鳥時代に生まれたとされていて、
その多くが四季や自然、地名、動植物名など、
日本特有の文化から生まれたものです

<カツラの木>

お祓い

苦手な設定」という記事で、超常現象を信じていないことを書きました。
そういうタチなので、書店で見かけたときは、
積極的に読む気にならなかった小説がこちら
辻村深月さん著「闇祓(やみはら)」です。

https://amzn.to/3DgtNgN

書店では、タイトルの「祓」という文字を見て
「お祓いか~・・・ホラー?オカルト?」
となり、食指が動きませんでしたが
図書館の棚に並んでいたとなれば、話は別です。

辻村深月さんの本は、当たると猛烈におもしろいので(個人の感想です)
とりあえず借りてきて読みました。

辻村さん作品で私のイチオシのリンクを貼っておきますが、
「かがみの孤城」ですから、きっとみんなのイチオシでしょうね。(笑)

「闇祓」の内容

「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」
クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。
しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。
唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。
ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。
身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!

Amazon商品説明より

というようなお話で、読み終わっての感想は
興味深くおもしろかった!と、なりました。

オカルト、ホラー要素は一切なく
闇祓=闇ハラ=闇ハラスメントという設定で
周囲を闇に引きずり込むハラスメントが主題です。

正論と思える理屈や、絶妙な共感力を駆使して、
負の感情で他人を支配していく人が
するっと他人の生活圏、心の内に入ってくる様子が、ゾワゾワしました。
「こういう人、いそうだなあ」と、思えるところが怖い。

群れる人ほど

とはいえ、それは人づきあいの仕方によりますので
するっと入り込まれない人もたくさんいるはずです。

ただ、「この人、なんか変」と思ったら
すぐさま距離を置く人は、わりと少ないんじゃないかな?
と、常々感じています。

というのは、ひとつ前の記事「悪口を言うか言わないか」で
苦手な知人のことを書きましたが
あんな人でも孤立することなく、社会生活を送っています。

「あの人、やだなあ」と、思った人はたくさんいたはずなんです。
でも、「あの人ってさー」と、口火を切って
「つきあうのやめようよ!」と、言いだす人なんていません。

人づきあいに消極的な私とて、自分からはかかわりませんが
話しかけられれば無視はせず、返事をし
流れで軽い雑談程度はします。

もっとごく普通に人づきあいをする人たちを考えれば
癖の強い人、自己主張が強い人であればあるほど、
その周りには、取り巻きといえる人たちが集まります。
仲間でいないと、悪く言われるんじゃないか?
とでも思うのでしょうか?
あるいは、思っていることを代弁してくれてありがたく感じるのでしょうか?
正確な理由は不明ですけどね。

そしてその群れは、目障りに感じた誰かを攻撃し
いつのまにか、いじめの構図が成り立っています。

今作では、群れの標的になった人ではなく
中にいる人たちが、次々と被害者になっていく話でした。
長いものには巻かれろ、とか
寄らば大樹の陰とか、いろいろ言い方はありますが
そういう考え方が好きな人は、
闇ハラ被害者になりやすい構造が示唆されていて、
面白いと感じました。

群れないと

かといって、群れずにいる人が被害にあわないかといえば
決してそうではないことを経験上知っています。

群れをつくる人たちは、群れたくない人が群れに参加しないことや
群れのルールを否定することを許してくれませんので
それが「かかわりたくない」というものであっても
自己主張を貫こうとするなら、たいへんな圧力がかかってきます。

小説の中では、主婦どうしのマウンティングについて触れる章があり、
探り合いに神経をすり減らす登場人物の様子が描かれていました。

自分だけが仲間はずれにされたくない
協調性がないと思われたくない
常識的な人だと思われたいなどなど
自分をどう見せたいかは、人によりますが
そのように、「良い印象を人に与えたい」と思っているわけではなく
なーんにも考えず、好き勝手にふるまってる人が
結局いちばん快適に世の中を渡っていけるんだと思います。

性格悪かったり、悪口、ウワサ話大好きだったり
自分勝手で遠慮を知らない、というような人が
孤立しているのを見たことがありません。

なーんにも考えず、好き勝手にふるまってる(ように見える)人は
なぜか「自分は悪く思われるはずがない」と思っているようです。

根拠のない自信に満ち溢れている人っています。
そういう人が、いちばん厄介で、闇ハラをかけてくるんだろうなー
と、あれこれ考えちゃいました。

とはいえ、人づきあいをしない私には
まったく縁のない話でした。

もともと、あらゆる軋轢がめんどくさくてたまらないので
人づきあいをしないのです。(笑)


忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。