騅（すい）
- 意味：あしげの馬
- 豆知識：楚の項羽の愛馬の名前が「騅」です。
「項羽と劉邦」は、「三国志」と並んで人気のある中国の歴史物語ですね。
ちなみに私は「項羽と劉邦」のほうが好きです。（どうでもいい情報）
ＢＯＯＫＯＦＦ
出かけたついでに、BOOKOFFに寄って、本を買ってきました。
林真理子さんの小説です。
子が引きこもりになって、いつの間にか年月が経ち
８０歳の親が５０歳の子と暮らしている世帯が増えています。
親が生きているあいだは、親が金銭面含め世話ができるものの
その親がいなくなったあと、どうするのか？が
８０５０問題として、話題になり始めています。
その８０５０問題をベースにした作品でした。
社会問題を扱う小説、大好きです。
作家さんが、綿密に取材して創り上げた世界から
その問題の具体的事例がうかがえて、興味深いジャンルです。
感想
読んでみると、８０５０問題に斬りこんだ作品、というより
５０２０といったほうが、正確でした。
５０代の親が２０歳の息子のために何ができるのか
２０歳の息子は、何を求めているのか？
ということを描いた作品でしたので。
親子の年代が若く、思っていたのとは、ちがいましたが
十分読み応えのある、考えさせられる作品でしたし
親が子に持つ究極の願いは、ひとつだなあと、しみじみ感じました。
林真理子さんは、母親であることを前面に出さない作家さんですが
やはり、親御さんなんだなあと、思いました。
家の中のこと
家の中で何が起きているのか。
隣に住んでいても、わからないことがたくさんあります。
小説の中でも、主人公の家の近所のこととして
８０代の親が亡くなったあと、５０代の引きこもり息子が
ひとり、家にじっとこもりつづけていた話が出てきます。
住んでいた家が借家だったため、立ち退きを要求されていたけれど
応じる気配がなかったため、強制執行までされてしまうのですが
近所の人たちは、そこまでの事態になって初めて
その家が抱えていた問題を知る、というエピソードでした。
リアルにいる
私の親戚にも、高校を卒業してから、ずーっと引きこもっている人がいます。
ほとんど接点のない親戚なので、詳細は不明ですが
年齢的に、まさに８０５０問題です。
兄弟がいますので、親がいなくなったあとは
その兄弟が、面倒を見ることになるのかなあ？
でも、そんなの困るよね？
と、たまに身内で話題になります。
小説では、引きこもっている息子にはお姉さんがいて
弟のせいで縁談がこじれる場面が描かれています。
残される兄弟姉妹にとっては大問題でしょう。
社会生活の経験がないまま５０代を迎え、ひとりになった人に対し
行政からどのような支援があるのか、まったく知りませんが
生活保護になるのでしょうか？
財源を考えたら、たいへんなことですから
この小説のように５０２０のうちに、
問題と向き合って、解決策を探すことって、だいじですよね。
うまくいくかどうかは、まったく謎ですが。
働いたら負け
社会問題を扱う小説は、出版社の全面的な協力のもと
作者が、かなり取材をしていることが多く、読みごたえがあります。
小説内で、解決の糸口を探る親の働き掛けに対し
息子が、激しく抵抗し暴れまくる描写がありました。
「どうして、追い出さないんだろう？」
傍観者は、簡単に考えてしまいがちですが
引きこもっている側の抵抗が激しければ
親だけで立ち向かえる問題では、なさそうだなあと、感じました。
２ちゃんに「キューティーハニート」という、有名な替え歌があります。
アニメ「キューティーハニー」の主題歌を元歌にしているのですが
以下、冒頭の歌詞です。
♪このごろはやりの 無職の子
おつむの小さな無職の子
こっちは無職よハニート
だってなんだか
だってダルいんだもん
お願い～お願い～
親死なないで
笑って聞いていましたが、「親死なないで」
これ、切実ですね。
今後、取り残された５０が、６０、７０、８０になっていきますから
ひとごとと笑っていたら、とんでもないことになりますね。
海外作品
重いテーマの本を読んだあとは、海外ミステリーを読んでいます。
アメリカやイギリス、フランスあたりは、まだ頑張れるんですが
スウェーデンのミステリーは、登場人物の名前を覚えるのは、無理です。
どうしてこうも難解な響きなのでしょうね・・・
読むだけでもギャー！なのですから
これを発音するなんて、できっこありません。
北欧ミステリーは、面白い作品が多いので
それでも、必死に読んでいます。（笑）