凱(かちどき)

  • 意味:勝った時に、一斉にあげる喜びの声。
  • 豆知識:「勝鬨」という書き方もあります。

読めない訓読みの漢字を練習しています。
「凱旋」「凱歌」など戦勝に関する熟語に
「凱」が使われている意味に納得する訓読みでした。

お鍋といえば

昨日の記事(こちらです。→ステンレス多層鍋が重い問題)で
愛用のお鍋の話を書いていて、30年ぐらい前のことを思い出しました

結婚して2年目ぐらいのころでしょうか。
息子はまだ生まれておらず、週2日のアルバイトをしていました。

昼間、電話がかかってきて、取ってみると知らない業者さんで
「無水鍋の訪問販売をしに行きたい」という用件でした。

昨日の記事に書いたことになりますが、
そのころ、家にはアムウェイのお鍋が、フルセットありました。
アムウェイのステンレス多層鍋も無水調理ができますので
「同じ機能のお鍋はいりませんので」と言って、断ったんですが
その後も続いたセールストークに、心ひかれるものがありました。

それは、「買わなくてもいい」という前提で
食材を全部持ってきて、何品も料理を作って見せてくれる、というものでした。

食費が浮きますし、夕食の準備もしなくてすむわけですから
これは・・・ぜひ来てもらいたいものだと、思ったんですが
買う気は、まったくナッシングなわけです。

そこで、必要ないから買いませんよ、ということを
何度も強調してから、来てもらう約束をしました。

ここまででも、驚かれる

訪問販売に来たいと言われて了承するって
とっても珍しいことのようで、
ここまで話しただけで、たいていの人がびっくりしますし
人によっては眉をひそめられることもありました。

「なんと、無防備な」と、あきれられているわけですが
自分のことは、自分が誰より知ってます。

地元じゃ(なくても)負け知らず、
セールストークなんぞに負ける私ではありませんから
絶対に買わない、断れる自信があって、来てもらうことにしたわけです。

そして翌日、電話をかけてきたのとは別の女性(以下、無水鍋さん)がやってきました。
電話でアポを取る人と、セールスに来る人は別の人なのです。
無水鍋さんの年のころは、当時の私と同じぐらいだったでしょうか。
30ちょっと手前といった様子の人でした。

調理開始

そして、軽快なトークをはさみつつ、
手際よく、以下の3品を作ってくれました。

  • ホウレンソウのおひたし
  • ピーマンとシイタケの天ぷら
  • 肉じゃが

調味料は私の家の物を使いました。
あらかじめ、そう言われていましたが、
何が必要なのかまでの連絡はありませんでした。
それで、「てんぷら粉ありますか?」と聞かれ、「ない」と答えたら
ちょっといやな顔をされたので、この人、ダメな人だなと思った記憶があります。

セールスマンが、そんなことで不満を顔に出してどうする!ということです。
このときは、小麦粉と水で衣を作って仕上げていたので
「じゃあ、小麦粉はありますか?」と聞けばよかっただけですよねえ。
プロ意識の低いヤツだなあと、思いつつ調理を見守りました。

そして、本格的なセールス開始

そして、肉じゃがが煮立ったところで火を止め、ふたをして
あとは、余熱調理をしましょうというタイミングで
いよいよ、セールストークが始まりました。

このお鍋って、こんなに便利!
ホウレンソウは洗っただけで火にかけられたし
揚げ油だって、ほんのちょっとですんだでしょう?
経済的にもとってもお得!
煮たててフタをしめておけば、あとは勝手にお鍋が調理してくれるから
手間もかからず、ほんっとに買うべき調理器具ですよ!奥さん!!

とまあ、こんな感じですね。
そして、次は私のターンです。

アポ電をかけてきた人に言っておいたとおり
このとおり(戸棚を開けつつ)アムウェイ鍋のフルセットがあるので、
これ以上お鍋はいりません。

と、言ってみたところ、無水鍋さんはにっこり笑って
「そのセット、いいお値段で下取りします!」と返してきました。

攻防戦は続く

なるほど!そういう方法で売りつけるわけか、と納得しつつ
こちらもにっこり笑って「そうですか」と答えてから
「じゃあ、主人に相談して、買っていいって言われたら、明日また連絡しますね」
と、言ったら、露骨にいや~な顔をされました。
この人は、買う気が1ミリもないなというのは
販売員を仕事としているだけに、わかったんでしょうね。

そのせいか、ウソみたいな反応だったんですが、はっきりと
プーっと、ほっぺたをふくらませたんですよ!

なんとまあ、子どもっぽい!!
この人すごいじゃん!と、どういうわけか感心してしまいましたが
あとは、何を言われても「主人に聞いてみないとねえ」
「そんなお高いセットは、とてもとても私の一存では・・」
などと受け流すことで攻撃をかわし、無事にお帰りいただきました。

無水鍋さんは帰り際、玄関で靴をはきながら、
ものすごーく不機嫌そうな顔をしていましたが
悪態をつかれたり、脅されたりってことはありませんでした。

そんなことをされたら、その場で親会社に電話をかけて
クレーム入れるのはもちろんですし
場合によっては警察を呼ぶつもりでしたので
まあ、穏やかにお帰りいただけたほうなんでしょう。

ほかにもある

このほかにも、布団のダニを吸い取る器具の訪問販売にも来てもらって
布団の掃除をしてもらっただけで、お帰りいただいたこともあります。

そのときの販売員さん(以下、布団掃除さん)は、
無水鍋さんと真逆で、とっても気が弱そうな人でした。
「この布団をお願いします」と言って
部屋を出ようとしたら
「そばで、見ていただきながら作業することになってるんですけど」と言われ
「それは聞いていなかったので、困りましたねえ。
 私、しなくちゃいけないことがあるから、そんな時間はとれませんし。
 じゃあ、今回はご縁がなかったということで、お引き取りください」と言ったら
「いえ、それは・・」と言うしかなかった様子の布団掃除さんは
ひとりもくもくとダニ取り作業をしていました。

このときの私は在宅ワーカーで、本当に納期が近かったので
事前にアポ電をかけてきた人から
「そばで見ていてほしい」と言われていたら
その時点で断ったでしょうから、連携ミスですね。
お気の毒にと思ったのは、布団掃除さんに悲しそうな顔をされたからです。

無水鍋さんのように、ふくれっつらにでもなられたら
まったく同情などしなかっただろうと思います。

今はどうなんでしょう?

私自身は、物を売る仕事をしたことがありませんが
何の仕事でも、顧客の心を動かすには、それ相応の働き掛けが必要でしょう。
そういう意味では、どっちかを絶対に買わなくちゃいけないという二択であれば
布団掃除のほうを選ぶでしょう。

もし自分が訪問販売員になるとしたら
そこを強く胸に刻んで臨もうと思います。(ウソです)

そもそも、今も訪問販売ってあるんでしょうか?
固定電話のナンバーディスプレイ契約をしてからこっち
知らない番号から電話がかかってきても、まず取りませんので、わかりません。

知ってる人からの電話でも、家族以外からなら
めんどくさいので、固定も携帯も出ません。
用がある人は、留守電に用件を吹き込みますので
それを聞いて、出たほうがいいなと思ったときだけ出ることにしています。

そういう人、増えてるんじゃないかなあと思われるので
まだ訪問販売という商法があったとしても、アポ取りがたいへんでしょうねえ。

絶対にセールストークに負けない自信がありますので
魅力的なサービスなら、ぜひ来てもらいたいものですけど
電話をとらなきゃ、始まりませんね。

忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。