シロさんとケンジ
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１１月になってラインナップに加わった作品に
映画版「きのう何食べた？」があったので、さっそく視聴しました。
ドラマを見て、はまった作品ですが
原作はマンガで、作者はよしながふみさんです。
マンガも少し読んだんですが、ドラマから入ったので
やはり、映像のイメージが固まっています。
主人公のシロさん（史朗）とケンジ（賢二）は、ゲイのカップルです。
私は腐女子ではないので、BLに興味があるわけではありません。
が、こういう時代なので、特に偏見もありません。
ドラマを見ていると、ゲイの息子を持つ親の心情や
ゲイカップルが、どうしても負ってしまうハンデなども描かれていますが
そこが大筋というわけではなく、シロさんとケンジの暮らしが淡々と続く物語です。
生きていればいろんなことがあるけれど
シロさんがおいしいご飯を作って、ふたりで食べて
そして、毎日が続いていく、という
当たり前の日常が描かれていて、
出てくるお料理が、簡単でおいしそうで、勉強になります。
シロさんが、高い食材は使わないし
めんつゆや、すし酢をどんどん使う人なので
たいへん参考になるのです。（笑）
ゲイのおともだち
シロさんとケンジには、やはりゲイカップルのおともだちがいます。
小日向さんと航（わたる）くんというふたりですが
航くんは、「ジルベール」と呼ばれています。
この「ジルベール」、私と同年代の女性なら
「あれか！」と、わかるはずです。
竹宮恵子さんのマンガ作品「風と樹の詩」に登場する美少年です。
このマンガ、当時の少女たちを騒然とさせた
少年同士の恋愛をテーマに扱った物語でした。
テーマだけでも、ギョギョギョなのに
その性描写もかなりきわどくて
少女たちは、ドキドキしながら読んだものでした。
少女マンガ
少女マンガは、この「風と樹の詩」以降、男性同士の恋愛が
ごく普通にとりあげられるようになったように思います。
ギャグマンガの「パタリロ」にも
バンコランとマライヒという男性どうしのカップルが登場しますし
両想いのカップルというわけでは、ありませんが
木原敏江さんの「摩利と新吾」にも、その世界観が投影されています。
さらには、萩尾望都さん作の普及の名作「ポーの一族」は
まったくカップル要素はないはずなのに
エドガーとアランという二人の美少年の関係性が
どうにもこうにも切なく悲しく美しくて
少女たちは、夢中になったものでした。
先にも書いたとおり、そっち方面のマンガが好き、
というわけではありませんでしたが
そういう要素のあるマンガも、まったく抵抗なく読んでいました。
そして、猛烈に感情移入してしまう作品に出合うんですよね。
山岸涼子さんの作品「日出処の天子」です。
登場人物の紹介がてら、漢字練習動画を貼っておきます。
厩戸皇子（うまやどのおうじ）
- 意味：聖徳太子さんのことです。
- 豆知識：最近の教科書や学術書では「聖徳太子」ではなく、「厩戸王」と表記することが多いそうです。
厩戸皇子を中心に紡がれるマンガ「日出処の天子」にはまった方は、
同年代に多いのではないでしょうか。
当然、この人の名前も書けませんでしたので、練習しました。
蘇我蝦夷は、蘇我馬子の息子で蘇我入鹿のお父さんです。
歴史上では、蘇我三世代の中ではいちばん目立たない人なんでしょうけど
「日出処の天子」を読んだ人にとっては、忘れられない人物のはずです。
王子と蝦夷は男性どうしなんですが、
これ以上ない！という組み合わせのベストカップルなんですよね。
それなのに、そのはずなのに、はずだったのに
蝦夷が、女性なんぞに恋をしてしまったばっかりに
とうとう破局してしまったときには、
割り込んできた布都姫（女性）が憎く思えたものでした。
それが、当たり前のありかたのはずなのに
こんなの、だめよ、だめ！と、納得できませんでしたねえ。
フィクション、しかもマンガにそこまで感情移入するなよ、と言われそうですが
この作品を読んだ人はきっと、みんな同じ気持ちになったんじゃないかなあ。
そうだと思いたい！
本題に戻る
最初の話に戻ると、劇場版「きのう何食べた？」は、おもしろかったですよ。
おもしろい、というより、この作品のファンは
シロさんとケンジを見てるだけで幸せな気持ちになるんじゃないかな。
朝ドラ「おかえりモネ」には、シロさん役の西島秀俊さんと
ケンジ役の内野聖陽さんが出演していたものの
２人が演じていた人物は、住んでいる場所が違ったので
接点が、まったくないまま話は進み
ツーショットが見られたのは、だいぶ後になってからでした。
「おかえりモネ」そのものは、私にとって退屈なドラマだったんですが
この日だけは、朝から「うわー！シロさんとケンジ！！ケンジ！！」と
大興奮で大騒ぎをして、お殿様（夫）にあきれられてしまいました。
シロさんとケンジ、マンガではもう５０代に突入してるようです。
結婚という制度がないカップルの抱える問題が、今後大きくなりそうですが
明るい続編を期待しています！