忸怩(じくじ)

  • 意味:深く恥じ入るさま
  • 豆知識:「忸」「怩」いずれも「恥じ入る」という意味を持つ漢字です。

小説「邯鄲の島遥かなり」に出てくる言葉で漢字を練習しています。
練習しようと思って書き留めた言葉が、膨大な量になりつつあります。
このシリーズは、かなり長く続きそうです。

散歩

お殿様(夫)は、絶賛テレワーク中のはずなんですが
午前中と午後、散歩に出ます。
運動不足を解消しようとしているようですが
そんなに席を外してて、いいのでしょうかねえ?

すでに正社員ではなく再雇用の身ですから
たいした仕事もなく、ヒマなのかもしれませんが
仕事用のスマホは、わりとしょっちゅう鳴っています。
せめて、スマホ持って行けや!と、思うんですけど
私の言うことなんて、聞きゃしませんから、黙ってます。

言うことを聞かないから

そもそも、その散歩にしても
「今日は1万歩以上歩いたぞ!」と、得意げに言うたびに
「それは、歩きすぎ。足を傷めるからせめて8千歩にしたほうがいいよ」
と、何度なく言ってるんですが、まったく聞く耳を持ちません。

ウォーキングは度をこすと、疲労が残って免疫力が下がるし
足の負担も大きくなりすぎて、悪影響が出かねません。
それを、何度も言ってるんですが、ぜんぜん聞いてくれず
ほぼ毎日、1万歩以上てくてく歩き続けているお殿様です。

そのせいで、足が疲れていたんじゃないかと思うのですが
午後の散歩のとき、あと2分ほどで家に着く、という場所にある階段をのぼっていたとき
最後の1段でよろめいて、盛大に転んだそうです。

階段のてすりに鼻を、角に膝をぶつけてしまったお殿様が
鼻と膝から血をダラダラ流して帰ってきたので、びっくりしました。
自分で歩いて帰ってこられたようですし
見たところ、腫れ始めてもいなかったので
鼻も足も骨折はしてなさそうで、ほっとしましたけど。

後始末

骨折していないのならと、お殿様をお風呂に追いやり
脱いだ服を受け取って、派手についていた血を洗いました。
鼻血をおさえていたタオルハンカチは、真っ赤でしたから
痛かっただろうなあと、さすがにかわいそうになりましたよ。

そして、お風呂場で傷をきれいに洗って出てきたお殿様の膝を
そろそろ捨てようと思っていたタオルでぎゅううと、きつく巻きながら
ティッシュを渡して、鼻に詰めるように言いました。

圧迫して止血できれば、問題ないはずです。
応急処置が終わってから、の会話です。

私「飲むと出血がひどくなるから、今日は、お酒やめたほうがいいよ」
殿「大丈夫だよ」

言うことを聞くわけもない人と、無駄な会話をしてしまいました。
仕方ないので、普段どおりの晩酌の用意をしました。

晩酌後

いつもどおり、1時間ぐらいかけて晩酌を楽しむうちに
ほぼ、出血は止まったようですが
膝はまだ、じわじわにじんできそうな気配がありました。

大きな傷保護テープを貼ってから、今度は包帯できつめに巻いて
擦り傷ができていて、出血の心配がありそうなひじに絆創膏を貼りました。

殿「ひじは、大丈夫じゃない?」
私「だめ。そのまま寝て、血が出たらシーツ汚れちゃうでしょ」
殿「そうか」
私「このあと、私ジムに行くけど、そのあいだに血がにじんできたら寝たらだめだよ。
 帰って来てから、包帯とか取り換えるから起きて待っててよ」
殿「うん」

こういう会話をしてから、ジムに出かけましたが
家に戻ると、案の定すでにお殿様はベッドで寝ていました。

まったく信用していないというか、
私の言うことを聞かないことには定評がありますからね。
ずかずかと寝室に入っていって、布団をめくって傷を点検しました。
どこも血がにじんでいる様子はなかったので、ほっとしました。

大けがじゃなくてよかった

シーツの無事ばかりを喜んでいるようですが
骨折などの大けがじゃなくてよかった!とも、もちろん思いました。
歳取ってからの大けがは、元通りに戻ることが難しいことは
数年前に、やはり転んで腕を骨折した私が身をもって知っています。
しかも、そのときは半年以上、まじめにリハビリに通って
やっと、どうにかこうにか腕がまともに上がるようになりました。

お殿様が、リハビリにきちんきちんと通うとは、とても思えませんから
そういう意味でもよかったです。

「面目ない」と、何度も言うお殿様と、こんな会話をしました。

殿「マンションのエレベーターで、どこかの奥さんといっしょになりそうだったから
 タイミングずらしたんだ」
私「そりゃ、流血してる人と一緒になったら、ぎょっとさせちゃうよね」
殿「だろ?ケンカしたと思われたら、俺が危ないヤツだと思われるし」
私「そんなこと、思うわけないじゃん!転んだかなんかしたんだと思うよ!」
殿「そうか?」

お殿様の中で、自分のイメージは、まだまだ若いんですねえ。
初老の男性が鼻血を出してるのを見て、
誰かと殴り合った?って思う人は、珍しいと思いますw

私がケガしたら

その後、私がジムに出かけるとき
「気をつけろよ」と、言われたので
「うん、気をつけるよ。私がけがしたって、誰も面倒みてくれないもん」
と、いう会話をしました。
(ケガ人に情け容赦ないイヤミですが、どうせ聞いていない)

血がついた服を洗ったり
傷の手当てに必要なものを出してきたり
そういうことも、お殿様はまったくできないでしょう。

私が先に死んだら、困るだろうなあと思いますし
死なないまでも、先に弱って倒れたら、たいへんでしょうねえ。
先のことを考えても仕方ありませんが
なるべく元気でいたいものだと思います。

そして、これを教訓に歩きすぎを考え直してほしい!!
でも、きっと無理でしょうねえ。(遠い目)




忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。