大正天皇の皇后、貞明皇后の評伝
植松三十里さん著「大正の后(きさき) 昭和への激動」を読んでいます。
大正天皇については、体が弱く、
早くに亡くなったということぐらいしか知りませんでしたから
その皇后については、全く何も知らない状態で読みました。
お妃選びなど、興味深い内容がもりだくさんなのですが
幕末の動乱時代の朝廷、公家の立ち位置や
宮中の掟など、フィクションが入ってはいるのでしょうけれど
すべてでたらめのはずはなく、
そうだったのか、なるほどねえと腑に落ちることが多々あります。
なぜ、天皇の子どもは、家庭で育てないのかとか
皇太子が、天皇とはどうあるべきと教えられて育つのかとか
皇后は、いかにあるべきかと教育されるのかとか
誰にであっても、感情を表してはいけないとか。
ちなみに、天皇の子どもは、家庭で育てない理由は
我が子への情は有事の際、人質にとられるなどしたときに
邪魔になるだけだからだ、ということでした。
いろいろ読んでいると、納得できることが多々あるだけに
真逆の宮家がいるじゃないか!
と、思わざるを得ません。
もともと、私は開かれた皇室というものに大反対です。
あの方々は、御簾の後ろにいるのがふさわしく
下々の者は、その暮らしぶりや人柄などうかがい知ることもできないまま
ひっそりと系譜をつないでいきつつ
国民のために祈念し続けていてほしいと、願っています。
終戦後、アメリカの方針で
皇室に中途半端な民主主義が持ち込まれてしまい
今にいたるので、長い年月をかけて
まさしく皇室は解体されつつあるのだなと感じます。
あと50年経ったとき
皇室に敬意を払う日本人は生きているでしょうか?
きっといないでしょう。
消滅はしないかもしれませんが
今と同じ在り方は、そろそろ無理になっていくでしょうね。
残念です。