母の手術日、全身麻酔で行うため
手術中の緊急事態に備え、病院で待機していました。
何かが起きたとき、同意書にサインする身内が必要なだけで
あくまで万が一の事態に備えていたわけですが
万が一の事態は起きず、2時間弱の手術を終え
無事、帰還した母と少し会話をしてから帰りました。
麻酔が完全にさめきっていないようでしたが
ちゃんと会話もできていたので、問題ないはずだったんですが
その翌日の早朝、姉の家に電話をかけてきて
「大惨事になったからもう帰る!」と言い張った
という話を、私もまた早朝の姉のLINEで知り驚きました。
何が起きたのか、要領を得なかったんですが
つまり、麻酔のせいでぼーっとして
トイレに行こうとしたときに点滴の管を引き抜いてしまい
出血して、看護師さんに迷惑をかけた、ということのようでした。
術後、尿管カテーテルの送管や
オムツの着用はしないと、聞かされて
あれは不愉快だから、よかったなあと思ったんですが
それが裏目に出てしまったようです。
私自身は、母と直接話したわけではありませんし
話を聞かされた姉も、
「大惨事、ひどい目にあったと言ってたけど、具体的内容がわからない」
程度にしか、状況を把握できていなかったため
こういうこと?ああいうこと?
と、姉といろいろ事態を想像してみたんですが
「認知症の老人のような扱いを受けてる」
というようなことも言っていた、と聞き
ハタ!と思い至りました!!
オムツされちゃったんだじゃない!!??
結果的に、それは事実ではありませんでしたが
私と姉のあいだでは、すっかり
そうか、そうか、そういうことか!!
と、納得できる結論となりました。
その日、お見舞いに行く予定だったので
老いも若きも、全麻後はオムツされることがあると
教えてあげようと、思っていました。
しかし!病院へ行き、母と会ったら
出るわ出るわ「大惨事・ひどい目」の具体的内容。
点滴の管を抜いてしまったときに
「なんてことしてくれたの!」と
看護師さんに怒鳴られた、ということから始まり
なんだかんだと、ひどい扱いをされている
という話をしていたんですが
看護師さんたちが、みんなで
私のことを指さして笑った!💢
という話を聞いたところで
あるわけねーだろ!
と、話を強制終了しました。
それは妄想だろう!と、思っていたら、案の定
主治医や看護師さんから
「せん妄状態」というワードが出てきました。
<せん妄>
注意や理解、記憶などの機能が急性に低下し、変動することを特徴とする状態
麻酔後、老人にわりと多くみられる症状だそうです。
ほらみたことか。
どれもこれも、妄想だったのに
ひどい目にあったと言い張ってるわけです。
せん妄状態ですから、しょうがありませんし
これが赤の他人だったら、適当に話もあわせられるんでしょうけど
実の母となると、いい加減にしろ!と、なっちゃいますね。
母には、どうしても優しくなれませんが
この日は、息子と姪もいっしょにお見舞いに行き
私と姉が主治医の話を聞いている間
根気よく、ふたりが母の被害妄想につきあってくれたようですし
そもそも、主治医がとてもやさしい方で
母の妄想をひとつひとつ真面目に聞いて、謝ってくださっていたようで
母の留飲もだいぶ下がっていたんですよね。
主治医のケアがなかったら、母がもっとヒートアップしていて
病院で壮絶な親子ゲンカが勃発していたかもしれません。
この程度ですんでよかったわあ。