姉から借りた本を読みました。
酒井順子さん著「無知の恥」というエッセイです。

古来より「恥の文化」の中で謙遜しながら生きてきた日本人。
しかし、SNSが人々の心に眠っていた自慢欲求に火をつけた!
SNSの発展とともにどんどん高度になっていく自慢テクニック。
……実は、清少納言も兼好法師も自慢したくてたまらなかった?!

「マザコン」が罵倒語だった時代ははるか遠く、
「僕がいちばん感謝したい人はお母さんです!」と公衆の面前で母親をハグする若者たち。
昔の親は、謙遜のあまりわが子を「豚児」よばわりしていたが、
今ではSNSで「ウチの王子」「姫」と堂々と愛でるように……。
古今東西、移ろいゆく「恥の感覚」を名エッセイストが読み解く抱腹絶倒・共感必至の一冊。

上記のような内容で、著者が何に対して恥ずかしいと感じるかとか
その対象(事象)の何に居心地の悪さを感じるのかなどなど
エッセイですから、著者の主観に基づく考察が続きます。

酒井順子さんというと「負け犬の遠吠え」が有名でしょうか。
著書は、ほぼハズレなしでおもしろいので
かなりたくさんの著作を読んでいるんですけど
実は、「こういう人なんだろうな」と思い描く著者のイメージに基づくと
たぶん、苦手なタイプです。

どこがどう苦手なのかを書いてしまうと
想像による人格攻撃になりそうなので控えますが
そのような人の主観に基づく考察が記述されるエッセイを
おもしろい!と、思って読めるのが不思議です。

感性が合うんでしょうね。
酒井さんが「恥ずかしい」と感じたことのほとんどに
私もそう思うわーと、共感しましたし
非情に些細な感性による羞恥心も共有できました。

それはチョコレートを「チョコ」
アイスクリームを「アイス」
パイナップルを「パイン」と言うことへの抵抗感です。

チョコは、チョコ風味とか複合語になると気になりませんが
アイスに関しては、かなりいやです。
アイスって氷でしょ?
だから、ガリガリくんみたいなあっちがアイスで
私が言いたいのはアイスクリームのほうだよ!
と、いう小さな自己主張によるものです。
どうでもいいこだわりなので
アイスと言ってしまうことを恥ずかしく感じたことはありませんけどね。

私がこっぱずかしくて使えない最近の言葉は
ダントツに「スイーツ」です。

スイーツって?おやつとか甘味とかお菓子じゃなくて
なぜにどうしていきなり英語で「甘いもの」?
これは、使うことへはっきり恥ずかしさを感じますね。

酒井さんは「スイーツ」については触れていませんでした。
感性がちがうのか、考察するまでもないと思ったのかは、わかりません。

なんにせよ、久しぶりに読むとやはり、
酒井さんの著書はおもしろい。
今度図書館に行ったら、何か借りてみようかな。

忘れん坊将軍

昭和39年生まれの59歳、専業主婦です。 新幹線、首都高速、武道館などなど同い年のものがたくさんあります。 還暦目前のせいか、あれもこれも忘れてしまう困ったちゃんです。